RKB毎日放送アナログテレビジョン最終放送

・2011.7.24(Sun),23:55(GMT+9)
 JOFR-TV RKB毎日放送・福岡テレビジョン
 Aufnahme by kazusun36

 最近どうしても頭を離れない映像と音楽がある。

 2011年地上波テレビ放送の完全デジタル化に伴い、東北3県を除きアナログ放送が終了したのがこの日。
 この1年前(2010年)に現在住んでいるアパートに引越しをする前、前の住まいではまだアナログしか受信できなかった。それが、引っ越してきた部屋でテレビをアンテナジャックにつなぐとデジタル放送しか受信できない部屋だった。
 だから、例えば2009年から放送されたNHKのスペシャル大河「坂の上の雲」は1年目と2年目がアナログで、3年目だけがデジタルで視聴し、録画した。当時、チューナーはSHARPのDVDレコーダDV-ACV52で、この出力を14インチのブラウン管テレビのビデオ端子に接続して画面を視ていたので、デジタルになったことによる画質の変化は全く分からなかった。
 「地上デジタル放送って、周波数帯は元々あるUHFだよなあ、だったらアナログが受信できてもイイのになあ。送信所の方向が違うのかなあ」と思った。両方を見比べてみたかったのだ。
 今でも受信アンテナ(アパートの8軒ほどで共同)の方向とかアンテナの周波数リミッターと言ったことはちゃんと調べていないしその必要もないのだが、それがアナログとデジタルで違うのかも、と思った。電波の送信元は「姫路」「北淡垂水」「神戸」の3か所ぐらいが可能性があり、生駒からのVHF直接受信は無い。
 しかし、番組の内容は(「あなたのテレビは地デジに対応していますか?」と言った一部の試験放送などを除いて)全く同じと思い込んでいたので、特段気にしなかった。

 7月24日の正午前、テレビでは以下のような内容を告知していた。
 ・アナログ波は、正午で放送を終わる。
 ・正午以降は、「放送を終了しました」と言うテロップになり、番組は放送されない。
 ・そのテロップも、深夜24:00で終了する。
 特集番組もNHK他で放送していて録画もしたが、今見返してみても、期待したほど面白いと感じなかった。
 前述のように「アナログ波」は受信できない状況だったので、昼のテレビのニュースなどで「アナログ放送が停止され、テロップだけになりました」という内容の報道がされた時、「ああ、そうか」としか思わなかった。

 僕は、毎晩22時台に就寝することにしている。23時を過ぎることは、余り無い。だからその日も当然のように眠った。
 ところが、熟睡している間に、アナログテレビ放送では、宝のような内容が放送されていた。
 その事に、丸2年、全く気付かなかった。

 気付いたきっかけは、Youtubeである。
 このBlogの最初に「朝日放送が1989年まで使っていたステーションコール(服部良一作曲)」、いわゆる「未来都市」を使いたかったので、昔にパソコンに入れていたビデオファイルを引っ張り出した。
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 上の動画はYoutubeからではなく、別のソースから確か7年ほど前に取っておいたものである。Youtubeでは長らくこの動画が見つからなかったが、blogの検索機能が動作して、今年5月にこの「未来都市」の「音楽のみ」にヒットした。ところが画像が違う。白黒の画像で、天神橋筋6丁目にあった街頭テレビの風景とか「大阪テレビ放送」の社屋を映していた。大阪テレビ放送は昭和34年に朝日放送と合併したテレビ局である。映像が古いのに、音質が良い事を不審に思った。先の動画が1分30秒ほどで終了した後、表示される「次のおススメ画像」の一番左上がそうなのだが、変わる可能性もあるので、リンクを掲載しておきます。⇒朝日放送アナログ放送終了・停波
 この音楽は大好きで、僕が音楽というものに目覚め、後に「合唱団」なんてところに飛び込むに至った原点は「合唱曲」などでは断じて無く、この曲以外にないのだが、その辺の薀蓄は字数があふれるほどあって、余程読み手の事を考えた言い方をしないと、独り善がりでうっとおしくなりそうなのでこの辺で止める。

 それにしてもこの「大阪テレビの映像」は何なのだろうか、実に不思議だった。
 関連する動画をいろいろザッピングしていくうちに、1ヶ月ほどかかって、ようやく事情が分かった。
 2011年7月24日から25日に日付が変わる寸前に放送された「アナログ放送を停波する直前の最終放送」だったのである。そういうものがあるという事を、2年間の間全く知らなかった。
 それが判って、いろいろと探してみた。放送局によって、この「最終放送」への力の入れ方には濃淡があることがわかった。
 もう、長くなってしまったので、先に結論を書く。
 この福岡の放送局が作った「最終放送」の映像と音楽の組み合わせには、何故か涙無くしては見られなかった。


音楽 葉加瀬太郎「The Cozy Bench」

 今はテレビも24時間エンドレス放送が増え、放送休止明けの月曜日早朝(4時台とか)にしか見ることができなくなった「通常のステーションコール」については、昔と今とでも少し状況が違うけど、「グッとくる」快感を得られる作品は、おおむね東京・大阪等の都市部にしかなく、甘めに見積もっても名古屋・京都までと思っていた。
 この理由付けは自分なりには部分的にはできている。上記に挙げた以外の地方のテレビ局では、どうしても「その土地柄」を入れてしまうから、というものである。
 もちろん全部が全部そうではないし、全ての放送局を視たわけではないから、素人の戯言と聞き流していただければ幸いなのだが、例えば静岡のテレビ局だと、背景には雄大な富士山や蜜柑や茶畑が映し出されていたりする、という具合である。それは、美しくない訳ではないのだが「予想・想像の範囲内」に留まり、「未来都市」のような「想像を超える突き抜けた快感」をもたらしてはくれない。
 東京と大阪の放送局にはそういう「地理的なくびき」が無いか、あっても少ない。日本テレビの「鳩の休日」や東京放送(現TBSテレビ) の「ガラス棒」には「東京を感じさせる要素」は無いと言えば、お分かりいただけると思う。
 この考えは「通常のステーションコール」に関する限り、今でも見解は変わらない。
 しかし、RKBの映像を視た後、「アナログテレビ放送の最終放送」については、この見解を訂正さざるを得なくなった。

 なぜか、ずっと考え続けた。その結果、大して考えがまとまったわけではない。
 もっともらしい事を言っても、雑い言い方しかできないのでは諸先輩方から突っ込まれるしかない(だったらこんなblog書くなよってことだけど)のだが、どうやら映像と音声に「時間軸」があることにしか原因は求められない。福岡の民間放送で「西鉄ライオンズ3連覇」(昭和33年,1958年)までにテレビの開局が間に合ったのは、アール・ケー・ビー毎日放送とテレビ西日本である。音楽については不勉強なので多くは触れられないが、葉加瀬太郎さんを選択したのは、良いセンスだと思う。

 「ステーションコール」はともかく、「最終放送」にはスポンサー様から一文も広告料をいただけないと思う。民間放送はスポンサーからの収入で成り立っている。
 スポンサーからCMを出していただいたり、あるいは番組という「コンテンツ」を創っているのは、雑い言い方を許していただければ、文科系の方の仕事である(もちろん例外もあると思うけど)。文科系という言葉がアナクロなら、「アーティストの仕事」と呼べば良いと思う。
 一方、放送局にいる技術者の仕事の最も狭義なものは、アーティストが創ったコンテンツを無事電波に乗せ、テレビの受像機まで届けることある。だから、技術者は画面から余り出てこない。出て来たときは放送事故等であったりするわけで、出てこない方が良いとも言えよう。
 しかし。「ステーションコール」のわずか1分ほどの時間だけは「技術者の時間」である。そして、このたびの「アナログ最終放送」もまた同様。
 ステーションコールで伝えられる映像・音声の周波数・出力などは、スポンサーの立場からすれば、必要な情報かどうか極めて疑わしい。視聴者にとっても恐らく必要のない情報だろう。アナログ時代のUHF中継局のチャンネル告知だって、ステーションコールで観てチャンネルを合わせるという事をしていたとは思いにくい。そこら辺りはラジオの周波数とは違っていて、地デジ化以降はなおさらである。現にNHKで上記の情報を放送していることを視たことが無い。
 だから、この放送局のような映像づくりを放送会社が許すまたは命じる、という事には、(テレビという)技術への尊敬の念があるかないか、という事なのだと思う。

 他の放送局についても、できる範囲で視てみた。東北放送、毎日放送、関西テレビ、etc. どうやら、開局当初から一貫して同じ音楽を使い続けているのは、「日本テレビ」だけのようである。
 何だかフラフラして終わったようで恐縮です。
・2013.8.21(Wed),21:45(GMT+9)

 開局当初から同じ音楽を使い続けている放送局としては、日本テレビの他に静岡第一テレビ等もあるようで、視てみました。でも、特段見解を変えるほどのインパクトは感じませんでした。
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コメント

トラツ #-

アナログ放送の最後ってこんな感じだったんですね。
福岡の放送局なのに全然知りませんでした。

こちらは地デジの最後の時にはすべてデジタルしか見られない
テレビに切り替えた後だったので、見られませんでした。
仕方ないので、テレビの音声が聴けるラジオで最後のシーンを
聴いたのですが、こんな感動のラストがあったなんて・・。

教えて下さりありがとうございました。

2013年08月25日(日) 01時35分 | URL | 編集

シブ #6o31QazA

★コメント第14号! ありがとうございます

 トラツさんこんにちは!
 コメントありがとうございます!
 この映像のポイントを一つだけ挙げるなら、やはり「西鉄奇跡の大逆転、巨人を3年連続破る」(昭和33年)に開局が間に合った、という事に尽きるのではないかと思います。
 他の放送局でも最終の映像を「その地域の歴史」や「放送局の歴史」にした例は多いのですが、テレビ放送というのは都市装置の一つなので、プロ野球の球団(といった都市装置)があるところは見ごたえが違います。
 われらが阪神タイガースはもちろんこれからもあり続ける球団ですが、このような伝説になるには、まだまだ「勝利の歴史」が不足していますね。ドラマチックであるか、という点ではまだ阪急→オリックスや近鉄に追い付いていません。勝って勝って勝ちまくることが必要ですね。

 私は高校生の時アマチュア無線部に居たので、テレビ・ラジオの開始終了時のステーションコールには興味を持っていて時々見ていました。
 アナログ放送終了時はトラツさんと同じく、アナログは見られない環境でした。それで、こんなお宝モノがあることにYoutubeで気付いたのが2年後(^-^;

 日本中の終了放送を片っ端から視ましたが、音楽まで入れて考えたら、RKBが一番だと思います。一方、音楽無しの生放送というのもあって、こちらは23日にご紹介した関西テレビが感涙モノです。
http://subibasennenow.blog.fc2.com/blog-entry-107.html
 東京の局やNHKはいくらでも画像の材料があると思うのに、日本テレビを除いて「ありがとうございました」も言わずに電波を止めたのは残念でした。

2013年08月25日(日) 07時11分 | URL | 編集


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