はじめてのWien⑥ 楽譜探しはここへ行け! ドップリンガー書店

 行け! って命令したのは私ではなくて、私が参考にしたある「本」です。あ、でも実はその本にも命令形は書いてないです。ほななんでやねん…、ま、ブログの表題も、いわゆるひとつの「アイ・キャッチャー」ってやつでして。

 なので、先にその「本」を紹介しておくと、こんなの。今日は、表題で挙げた「ドップリンガー書店」以外にも音楽関係で3点ほど回ったが、この本を読まなかったら気付かなかった可能性が高い。でも、「本」には「その名が日本まで鳴り響いている」と書いてあって、現にウイーンの観光用ビデオなどでもこの店内の画像が出てくる。
 ホントにお世話になりました。
 「新編 ウイーンの本」(音楽之友社)



・Donnerstag, 03.Apr.2014 9:30(GMT+2) 〔3日目午前〕
 "Musikhaus Doblinger" Dorotheergasse 10, Wien


「2A」のバスで移動。

 この旅行の主目的は舞台を2つ観ることやった。
 なので、それ以外はお気楽に過ごせば良く、例えば「ホテルの部屋で午前中ぐらい寝る」なんて過ごし方をしても一向に問題ナイ。
 でも、目が覚めてしまったものはしょうがないので、3日目の朝から「オーストリア自動車連盟」のショールームに出かけた、ってことを前回書いた。ショールームは朝の8時から開いている。なので8時半には用件が終わっていた。

 そこでトイレに行きたくなった。
 次の目的地「ドップリンガー書店」は、ウイーンの旧市街のほぼ真ん中。地図に既にマークしてある。
 で、どう行ってどう用件を無事終わらせようか、と思ったその時、うまいことにシューベルトリンクの交差点のカドに、旧市街方向行きの「2A」系統のバスが始発停留所で待機していた。バスはバスでも、電気バス。
 
Schwarzenberg停留所

 細かい経路はわからないけど、ウイーンの旧市街は小さいので何とかなるやろ、と委細構わず乗車した。
 分からん事は人に訊くに限る。運転手に「トイレ行きたい」と言ってみた。言い方は、"Entschuldigen Sie bitte, wo ist die Toitelle?"とか、ちょっと子供の使う言葉になるけど、"Ich muss mal."なんかも時々使った。
 運転手は、「このバスに乗ったらエエ。5分で着く」という。バス停の名前は聞き取れなかったけど、まあ、知らせてくれるやろ。

 この「2A」などの様に系統番号に「A」が付くのはバス(多分AutobusのA)なのだが、1A・2A・3Aはマイクロバスである。狭い旧市街の中に「市電3両連結」の様なモノは入れられない。それで、ガタイの小さいのを最近使いだしたらしい。
 
2A系統 充電中 電圧不明
 始発の停留所には集電用の架線が張ってあって、どうやら始終点だけにあり、ここでバスの中にあるバッテリーに充電して走る。中学生の修学旅行で長野県の黒四ダムのトロリーバス(こっちは架線が最初から最後まで張ってある)に乗った時以来。


 ところで今朝はホテルの前から市電49系統→②系統と乗り継いだので、「2A」にもこのまま乗れるのか?と運転手に切符を見せてみたら、「うーん、これはダメだね」というので、ここで「72時間フリーきっぷ」を使うことにして刻印した。8時55分。
 
こんな風に刻印される

 以前少し触れたけど、ウイーンの旧市街の「壁」を壊して造った"Ring"だけを通っていると、さして登り降りの変化が無いように感じるが、Ringの中心に侵入しようとすると上り坂である。
 逆に、Ringの「外」に出ようとしても西・北方向は上り坂である。
 ガイドブックの地図だとそこまで分かり様が無くて、どんな景色か出発前に想像していざ着いたらまるで違う地形が待っていた、というのは、とっても面白い。


 電気バスは何回もカドを曲がり、運転手はある教会らしきところで僕を降車させた。
 Petereskircheペータース教会。
 平日の9時過ぎ、静かなところだった。
 
夜は閉まるので注意

 無事用件を終了した後、ちょっと歩いてたまたまあったスターバックスに寄った後、いよいよ「総本山」へ向かった。


 

グラーベン通り方向から

 この店は玄関が2つある。2つの部屋の間はちょっとした渡りになっていて暗くしてある。

 
右玄関

 
左玄関

 「ウイーンの本」には、左玄関の方がクラシック関連で、奥にもう一部屋あり、そこに「古書関係」があると書いてある。
 それで、そちらは後にすることにして、右玄関の扉を開けた。
 こちらの雰囲気は(店内の写真撮影は遠慮した)ビックリするようなものではなくて、元町のYAMAHAとさして変わらない。それでも何だか緊張が取れなかったので、店員に話しかけてみた。

 "Ich möchte Musiknoten suchen, zum Beispiel von Anton Bruckner..."
 楽譜を探したいのですが。例えばアントン・ブルックナー…


 そしたら「本」に書いてある通り、「隣へどうぞ」と棟続きの部屋を案内された。
 どうも気おくれがした。
 
「クラシックと合唱へのトビラ」

 この時点で「欲しい」と意識していて、なおかつ持っていないのはブルックナーの2番ミサ(Messe e-moll)のCDだったので、まずそれを探した。
 店員に訊いても良かったけれど、CDやDVDは倉庫に入れられているわけではなく陳列されているので、わざわざ訊くのも気が引けた。自分で"B"の棚を探して、いくつか見つかった中から「ヤッパリモテットも入ってるのがイイな」とか「3番ミサって聴いたことが無いので聴いてみようかな」とかアレコレ考えて、結局選んだのがコレ。



 特にウイーンに来なくても手に入るような気もしたけど、ま、とにかく何か買って、この緊張を解くために店員と会話がしたかった。
 シブ "Kann ich diese CDs probieren?" このCDを試しに訊いてみたいのですが。
 店員 "Ja,bitte." はいどうぞ。
 会話はこれで終わった。店員は袋を開けたか開けなかったか忘れたけど、ヘッドホンで聞いた記憶も買った後で袋を破った記憶も、両方ある。何だか矛盾してるけど、要するにフラフラしていた。
 なので、というべきか。「古書コーナー」(左玄関から入った部屋の、もう一つの部屋)には入ってみたものの、最初から気圧されていて、いくつか楽譜を見せてもらったのだが、レポートできることがほとんど無い。すビバせん
 わかったことは、青い表紙をした楽譜が多いとか、楽譜がいちいち分厚くて、重たい、ということである。

 厚さ30[mm]ぐらいの楽譜が多い。
 「ウイーンの本」にも書いてあるが、このコーナーは、商品が見えるように陳列されておらず、ラックの中に仕舞ってあるので、店員に「こんなんあらへんか?」といった希望を述べると、店員がその凄まじき知識(?)をフルに発揮して、いろいろと出してくれる、という仕組みになっている。
 好きな音楽もそんなにたくさんあるわけではないし、こだわりをドイツ語で表現できるほどの語学力は無い。
 この後、音楽関係以外にも、買いたいものは山ほど見つかるだろう。
 鞄の容積は増えないので、馬鹿でかいモノを購入したら、郵送しなければならない。
 だから、「何も無理して何か買わなきゃイケナイと決めつけなくても」と言う気分が、この店にいた30分ほどだけ、支配していた。元はと言えば関西空港でルフトハンザに9000円超過荷物料金を分捕られた記憶が、意外な形で影響した。モッタイナイと言えば、もったいなかったけど、今ドップリンガーにもう一回行っても、話は変わらないような気がする。
 それで、膨大な楽譜の山を目にして、結局、楽譜は何も買わずに帰ってきてしまった。なんじゃらホイ。
 言ってみれば、僕の思い入れってのは、その程度でしかない。
 ま、ゆるゆると行きましょ。そんなもんでヨロシイやないですか(^^;




 結局この2日後にもう一回来て、合計でCD1つ(2枚組)とDVD1枚、それから、この後観たオペレッタ「メリー・ウィドウ」(レハール)の歌詞カードTextbuch,"Die lustige Witwe", Franz Lehar だけを買った。
 
Doblinger自ら出版(左下)


「女を制すには」(メリー・ウィドウ)

 テキストは僅か500円ほどなんやけど、これが結局一番価値が高かった。
 さささっと眺め読みしたが、20年前に淀川混声で歌った楽譜に、音源を聴いて自分で勝手に書き込んだドイツ語の歌詞はかなりデタラメであったことが判明した(>_<)
 もともと「メリーウィドウ」については、オリジナルにない歌が付け加えられたりして、テレビでこの作品を視たりする度にちょっとずつ違うセリフを言っている、という事にも気付いていた。
 でも、Doblingerのお墨付きをもらった以上もう大丈夫である。かくして、その後このテキストの内容を反芻して、色々なところで迷惑にならない程度に口ずさんだ。(歌わなくてもいいのに(^^; )   ま、その人その人にとってのモノの価値って、金額と無関係ではないけど、やっぱり何というか、長嶋サンじゃないけど、いわゆるひとつの、pricelessですなあ。

 
3,50ユーロ≒500円

(澁谷 光基)(渋谷 光基)

「はじめてのウイーン」次回は、第7回「ヴィーナーシュニッツェル/ターフェルシュピッツェ ~食事のまとめ」
 6月5日(木)更新予定です。
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