はじめてのNY⑤ カラフル→カラフル→2色

・2013.4.26(Fri),14:00(GMT-4)

※Dieses Tagebuch wird sich donnerstags erneuert. Geniessen Sie bitte die Fotos.
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 その日は日本語で電子メールを打つ用事があったので、49条の「サイクル・カフェ」に行って昼食。
 ご存知の方はご存知やけど、米国にあるフリーパソコンで日本のサイトを見ても問題なく日本語が読める。
 問題は「入力」で、「ATOK」とか「IME」などがインストールされていないため、ホテルなどに設置してあるフリーパソコンでは漢字やひらがな・カタカナを打つことができない。
 それで、「阪神タイガース今日のメダリスト」なんかも、この際横文字で投稿してみたくて、無茶苦茶な横文字で投稿した。それにしても、「NYに来てまでそんなことしなくてもイイのに」という声が聞こえてきそうや(^-^;

 NYではほとんど美術館の類に行かなかった。
 METも、MoMAも、ICPも、地下鉄museumも、行っていない。
 2001年9月11日の惨事の跡も伺っていない。
 エンパイア・ステート・ビルディングやトップ・オブ・ザ・ロックにも上らなかったし、自由の女神は時間があったので見る気はあったんやけど、ちょっとしたアクシデントで没になった。
 ハーレムのナイトクラブに行くとか、そういうディープな楽しみ方ができるほど僕はアートを知らない。
 昔は、地下鉄を全部乗りつぶしてやる、みたいなことをしたが、46歳にもなって今更そういう気にならない。
 では、セントラルパークでまったり過ごす、なんてこともしていない。
 今にして思えば、モッタイナイ事をしたようにも思うけど、時間にも体力にも限りがあって。
 美術館巡りって、動き回るので、結構体力を使う。

 それでも、一つだけ「行きたい!」と思ったのがあって、それがコレ↓ Guggenheimである。
 "Gutai"という芸術集団が昔あって、このたびその企画展が催されることを「ニューヨークの遊び方」というサイトで知った。
 そのなかに、こんなカラフルなオブジェがあって、見たくなった。
 地下鉄にも広告が張り付けてあった。こんなの↓

 "Gutai"は「具体的」の「具体」らしく、この芸術集団は戦後ほどなく、芦屋など阪神間で活動していたということなののやけど、全然知らなかった。下に示す写真以外にも、いろいろ展示してある作品を見たけど、快感のツボを押してくれるものは残念ながら無かった。でも、一つあれば十分なので。

 「サイクルカフェ」で用件とピザとジャスミン茶で昼飯を済ませた後、Madison街を南から北にまっすぐ走る#M2系統のバスで、89条まで乗った。

 ← 移動距離が少し長いので、地図が小さくなってしもた。クリックプリーズ

 バスは満員で、降車は扱うが、乗車は拒否。バス停のポールのあるところを微妙に外して停車し、客を拾わなかった。もう少し詰めてくれ位の事はリクエストしてもいいのにと思ったが、「満員」の札を表に出して満員通過するのは垂水の山陽バスでもやっていたので、特別びっくりはしなかった。

 Guggenheimは金曜日の午後ということもあってか混んでいた。
 問題のオブジェは、こんな感じ。
上から
横から
下から

 何ということはない、「色を付けた水を透明なプラスチックのチューブに少量ずつ入れて光を当てた」というだけのことだが、どういうわけかこういう「カラフルなものを見たい」という気分が子供の頃からあるらしい。
 横道にそれる。
 子供の頃、僕は神戸の須磨に住んでいた。
 例えば高速神戸駅あたりから阪急電車で梅田方向に行く時、優等列車は「特急」だけという単純さである。当時と今とでは多少状況が違うけど、要するに時刻表の数字の色が「黒」と「赤」しかない。

 そういう子供が、のちに、例えば京阪電車の時刻表を見せられた時、「色の多さ」に酔ってしまった。これも、今と当時とで少し違うけど、例えば枚方市あたりの時刻表はこう。6色も使っている。

 それで、京都に行くのに特急に乗れば速くて車両も豪華なのに、わざわざ準急に乗るといったことをしていた。変な子供だった:-)
 だからと言って、色に快感を感じるという明快な自覚を持ってたわけではない。
 例えば、ジェリービーンズとか、M&Mのチョコレートを並べてみると言うような事はなかった。
 「僕はこういうのが好きです」と子供の頃から明快に自己紹介(というか自意識)できるほど、物事は都合良くできていない。
 以上が、表題の1番目の"Colorful"について。


 時代が下って、「カラフルなものを見て『わあっ』と明るくなる気分」に気づいたのは、2001年。
 場所はパリである。
 パリRATPのメトロは、東京メトロや各都市の地下鉄などのように、1号線から14号線までラインカラーが決まっているが、僕が落ちたのはバスの方である。
 RATPのバスの車体は白地にペールグリーンという清潔感のある塗装を施されているが、車体の横に、行先と経由地を表示する板(鉄道で言うところのサボ)が入れてあった。
 写真は2007年に撮影したもので、「板」はなくなっていてその代わりに「シール」が貼ってある。何ということのない話だが、僕はとても残念に感じた。「板」の管理が面倒だったのか、それともマニア(?)が勝手に持っていく、みたいなことがあったのか。
 
38系統 北駅行き
 
郊外では系統番号が3桁になる

 サボ(板)時代の写真もあったので、up↓
 
全体の配色 63系統 Muette門・リヨン駅間
 
連接車もある。31系統 凱旋門・東駅 間
 
これが「サボ」。52系統 St-Cloud公園・オペラ間

 パリ旧市街(大体"Porte〇〇"の中)のバス路線は20番以降の番号(14番まではメトロが使うので)とともに固有のラインカラーが付けられていて、車体横の「板」と車両前面に表示される番号にこの割り当てられたカラーが使われている。
 色はRATPの誰かが決めているに違いないが、法則性は無い様だ。というより、無い。
 例えば、京都なら、220円均一の系統は紫地に白数字、均一でない系統は白地に黒数字、旧市電の循環系統(200番台)は橙地に白という整理がされているのだが、RATPにはそういう規則性が無い。実のところは知らないけれど「規則性を感じさせないこと、ランダムであること、いわばホワイトノイズ的であることを旨としている」という印象すら受ける。
 日本のバス会社で、これに似た例を探せば、以前「阪急バス」がバス前面の系統番号表示に「流れ星のアイコン」を使ったりしたことがあったが、最近は単色の電光表示板の普及でカラーが扱えなくなり、デザイン的には面白みが減った。
 
乗換ガイド ホントにランダム

 旧市街、つまり2桁の番号のバスについては、LECONTEのバスガイド本がKIOSKなどで売っていたので、それを使った。

 20系統のページ。次ページ以降のマルチカラーぶりが見えるでしょうか?どうもモドカシイノデ、いっその事動画を撮ってみました。これでどうでしょう。ページの右上を折っているのは、乗ったことのある系統。
[広告] VPS
 2001年版。この間までLECONTEのHPにサンプルが乗っていたけど、リンクが切れた。もう、「これはバスのガイド本」というより、という方が近い。

 ついでに、RATPじゃないけど、SNCFの駅で配っている時刻表もこんな感じ。
 
乗ったのは#260列車(München Hbf → Paris Est)

 そんなわけで、パリ旧市街のバス路線は、道路の一方通行規制などのために往復のルートが違うとか、バス停に時刻表がなく「約何分間隔で来ます」というアバウトな運行をしているため、慣れないうちは使いづらいが、景色が見えるのは魅力的だったので、急ぐ時以外は余りメトロを使わなかった。
 バスも地下鉄も一つの「都市装置」なのだけど、RATPのカラーへの異常なまでのこだわりは、ロンドンのダブルデッカーの赤いバスに並んで、一つの「典型」であると、おもっている。
 以上が、表題2番目の"Coloré"について。



 文章が長くなって恐縮だが、表題の3番目の「2色」に触れたい。
 こんどは、ドイツにある「典型」である。と言っても、すでに触れたADACのことで、百聞は一見に如かず。多くの説明はいらない。
 ADACのマーク。フォントは、なんていうのかな
 
一般救援車
 
ヘリコプターの救援もある
 
どこでもすっ飛んで行くで~
 
Ambulance。請求書が怖い:-)
 
試験車。

 プロスぺクテの数々。左から、「会員特典」「あなたのADAC」「事故時の行動と報告書」「法的保護」「罰金表」「レンタカー営業所リスト」「レンタカー料金表」。HPでも探すことはできるようだ。

 「アウトバーン格安給油」「通学路での助言」「フレンスブルガープンクテ(交通違反による減点制度)」「旅行のヒント」「新EU運転免許証」「服薬の運転への影響」「中古車購入時チェックリスト」「子供と少年の交通安全」
 
子供の浮き輪にまで、ADACのマークが…

 ちなみに、酒気帯び運転の罰金は200DM(≒100ユーロ)から。安全運転で、良い旅を


 もう、全部黄色
 あまりのコントラストの徹底ぶりに、「工事中のトラマーク」も「阪神タイガースの旗」も真っ青。
 目がしてきませんか?
 ADACが「典型」たる所以は、2週間前の投稿の繰り返しになっちゃうけど、色が与える印象自体ではなくて、上に挙げた様な「法令も踏まえた、大量で十二分なサービス(大体、航空機持ってるJAFとか、他の自動車連盟って聞いたことないし)を明示的に提供することで、ドライバーや歩行者に安心を与えている」ことにあり、そこに単純明快な2つの色と統一されたフォントのみを「フェイス」として、これでもかこれでもかと徹底的に(執念的にと言ってもイイ)使うことで、目的を果たすことに成功しているんやと思う。
 ドイツにも、Ritterのチョコレートのパッケージの様なカラフルな例があるから、「お国柄」で片づけられる話では無いんやけど、Ritterのチョコの場合はまだ「(ペパーミントはアイスブルーとか)フレーバーを連想させるカラーを施す」という意思というか、要は何らかの意味を感じることができる。

 翻って、RATPの「説明できないランダムさ」はもはや意味不明。これについて何かしらコメントを持っておられる方が居られたら、解説して下さるととてもウレシイです!(H市のM.M.さんお願い!)

(澁谷光基/渋谷光基/しぶやこうき)

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 次回は、「アメリカ海軍テキスト事情」6月27日(木)0:00に更新します。
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コメント

Miyow #-

RATPの説明できないランダムさを説明してみる

H市のM.M.です。

うぬー。言われてみると、全く規則性なく、ひたすらカラフルですね…。色を沢山使うのはお国柄なのでしょうか?他のツーリストさん達はどう思っているのかな?と思って検索してみたところ、「色がカラフルなので路線図がロンドンのものより見やすかった!」という意見がありましたよ。そうなのー?うーんロンドンのバス路線図は、と…。
http://d2mns3z2df8ldk.cloudfront.net/assets/maps/travel_maps/London%20&%20Partners%20map%20H.pdf

じゅうぶんカラフルで見やすいではないですかっ。

でもってパリはですね、、、
http://www.ratp.fr/plan-interactif/cartebus.php
※番号をクリックするとそのルートだけ見えて便利。
そういう機能を備えた日本語のもありました。
http://www.rueabeille.com/espace/bus/busplan/busplan.htm

便利な機能でしばし遊んでしまいますね…。楽しい。。笑

で、わたくしの見解はですね、バスの本数が多くて経路が入り組んでいるため、沢山色があるほうが路線図にした際に目的の番号が見つけやすいからこのようにカラフルになった。ということではないでせうか?規則性は特に必要ないから、ない。と。。どうでしょ??

ちなみにバスの起源は17世紀のフランスで、パリに次いでロンドンも古くからバスが活用されていたんだそうです。私はドイツにまだ行ったことがないのですが、ドイツのバス事情は、どんな感じなのでしょう?

あとこの件、フランス人だとどんな意見を持つのかなぁー?機会があったら聞いてみますね!!

2013年06月22日(土) 01時49分 | URL | 編集

シブ #6o31QazA

★コメント第12号! ありがとうございます

 Miyowさん、おはようございます!
 コメントをありがとうございました。感謝、感謝です。

 RATPのバスは大好きで仕方がないのです。
 なぜでしょうね。

 「路線図だけが」カラフルな例は日本にも多くて、代表は横浜。
  http://www.city.yokohama.lg.jp/koutuu/bus/pdf/busrosen.pdf
 大阪や名古屋、神戸などもそう。
 地図に描きこむ路線が多いので、色を付けておかないと、路線を読めなくなってしまう、と言う事情からですね。
 京都は別格です。1つの系統に1本の線を与えて地図を描くと四条河原町-四条烏丸なんか20本ぐらいになって訳が分からなくなるのでそこは諦めて、「交差点を曲がる系統を表示している」などという極めて独特な描き方をしていますね。京都以外で見ることは絶対にないと言い切って良いでしょう。

 以上は「路線図」の話で、「車両側(車両前面の系統幕など)」にはその色を反映していません。
 ニューヨークMTAのバスも同じです。車両に系統を示す色がありません。
 ドイツ各都市も同じ。
 だから、バス前面等に表示されてる「番号」を見ないと、間違えてしまいます。
 そこが、RATPと違うところなんですね。

 RATPはバス本体、つまり前面の系統番号表示にも、バス側面にも、系統ごとのラインカラーが付けられているので、「色さえ認識出来たら」乗ることができます。それでも時々間違えます:-O
 こう書くと、Miyowさん仰るように実はプラグマティックな理由なのかも、と思えますね。こどもに諭す時も「何色のバスに乗るのよ」で終わるのですね。
 でも、天邪鬼ですが、それだけではなくて、フランスの人が「人々を翻弄するような遊びゴゴロ」を持っていたいのだと、思いたい気持ちがあります。

 RATPのHPはよくできていると思います。僕も時々遊びます。今度パリに行く事があれば、3桁のバスに乗ってみたいと思います。ロワッシーから市内まで#350のバスで来ることも可能です。ただし、カルネの枚数とストライキに気を付ける必要が!

 最近、各地のバスや電車でLED式表示器が使われるようになってからは、業者の管理は楽になったのかもしれませんが、カラーは使えず、文字も荒くて表現力がなくなり、デザイン的には興味が落ちました。
 これを今でも拒否し続けている代表は京都市バス。2番目を挙げれば沖縄本島で、ここのバスにはサボがあります。
 やっぱり「百万遍」「北白川仕伏町」と言った味わいのある地名は、あの独特のフォントで印刷されてこそ、乗りたい、という気がおきます。
 そういえば、今日は吉田河原町の京都ドイツ文化センターまで行くのですよ。確かInstitut français なんてのも、この近くじゃなかったかな。

 コメントありがとうございました。
 今後とも引き続きよろしくお願い申し上げます。

2013年06月22日(土) 08時23分 | URL | 編集


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