はじめてのNY⑨ ガーシュウィンの足跡を訪ねて

・2013.4.29(Mon),14:00(GMT-4) 小雨

 5日目の朝になった。
 午前中、方々への土産の発送などに時間を使った。
 月曜日だというのに午前中からMacy'sは人でいっぱいで、何だか人あたりした。
 家族に巨人ファンがいるので、巨人ファンにYankeesのグッズでもあるまい、と思って、ヤンキースタジアムでは何も買わなかった。
 だが、うまいことに、NYにはアメリカンフットボールNFLの"New York Giants"があることに気付いたので、Tシャツでも買っていくかという気になり、結局MODELLSというスポーツ用品店で、キャップを購入した。

 一通り用件が終了して、昼になった。
 そういえばステーキが食べたくなった。
 ブルックリンにPeter Lugerという有名店があることが知られているのでチェックしていたが、折角MODELLSのお姉さんが目の前にいるので、この近くでどこかレコメンドしてもらえないか、と言ったら、隣にあるという。

 
9 Oz.House Sirloin,ミディアム・レアを注文。

ジャイアンツのキャップ$19.ステーキ&ビア$47

 今日の昼食
APPLEBEE 42nd Street
 234 West 42 Street, New York, NY 10036
 1-212-391-7414

 写真にもあるように、ステーキはびっくりするようなサイズではなく、私でも完食できるボリュームだった。
 このサイズのフレンチフライを食べることはできないが、牛肉は抵抗なく胃に収まった。
 やや疲れていたので、店では、1時間半ほど、ゆっくりした。

 昨日までとは、目に見えるものすべてが、違うような気がした。
 ここは42条七番街。タイムズ・スクエアなんていうあたりらしい。
 少しばかり、フラフラとこの雰囲気に身を任せた。
 日本のガイドブックにはなぜか"TOSHIBA VISION"の写真(南向き)ばかり掲載されているタイムズスクエアだが、反対方向(北向き)を見るとこんなことになっている。日本にも水着モデルの写真ぐらい街中にあるのだけど、要するに、画面のデカさが違うねん。


 46条まで上ると、NYCの観光案内所がある。
 ここで放映されているニューヨークにまつわるアーカイブフィルムを見た。

 
ご存じマリリン
 
ベイブ・ルースの名が
 
ヴィクトリー・キス。言うまでもなく対日戦を指す。

 ニューヨークは、ガーシュウィン兄弟の故郷。
 それで、このNYC観光案内所のコンシュルジュに、尋ねてみた。
 「僕はガーシュウィンが好きなんやけど、ジョージのbirthplaceとか、何か、ゆかりのあるところに行きたい」
 コンシュルジュのLadyは方々に連絡をしてくれ、10分後ぐらいに3つ答えを出してくれた。
 3つのうち2つは内容がよく聞き取れなかった(>_<)が、一つだけ、「ジョージが少年時代を過ごした場所」というのが聴き取れたので、そこへ行ってみることにした。



 46条七番街→五条二番街の移動なので、少し距離がある。
 小雨でもあり、時間も微妙な(今晩18時に57条に戻る必要があった)ので、タクシーを使ってみることにした。
 イエローキャブに乗ったのは、この一回切り。もう少し使っても良かったような気がする。


大きな地図で見る

 タクシーのドライバ-は、行先が五条であることを訊くや、「ではこことここで曲がる」と明快に告げた。
 とかくぼったくりが多いとか、わざわざ遠回りをして料金をかさ上げするとか、タクシーについては悪い噂ばかり聞いていたが、全くそのようなことが無かった。いろんな奴がいるんだろう。
 乗車15分ほどの間に、いろいろな話をした。
 ドラ「俺はニューヨークに来てまだ半年。サイパンから来た。サイパンには戦争の碑がある」
 シブ「19世紀と20世紀の歴史には興味を持っている。W.W.Ⅱや、米西戦争とか、日露戦争とか。
    元大統領、Theodor Rooseveltは日露戦争の講和をmake a knot(??)した人である。この人の言葉に
    『正直は最上の政策ナリ』というのがあるんやけど、英語ではどういったのか知らないか?」
 ドラ「知らん。お前はNYに来て何週間になるんだ」
 シブ「5日だ。僕はトラベラーだ。ジョージ・ガーシュウィンのゆかりの場所に行きたくて、ツーリスト
    センターでここを教えてもらった。俺はこの曲が大好きだ」
 それで、Embrace me, my sweet embraceable you... とか、Somebody loves me,I wonder who... とか、taxiであることを理由に遠慮なく歌った。歌ってる途中で目的地に到着した。演奏中止
 メータは$15だったが、"It's for you."とか言って、$20渡した。どうも、チップってのは、うまく計算できないというか、頭脳の金銭感覚を壊す仕組みではないかと思った。

 タイムズ・スクエアあたりに比べると、この辺りは、住宅街といった風だった。
 何か具体的な、そう、鹿児島の下鍛治屋町にある「大山巌生誕の地」のような巨大な碑

とか、巨大でなくても
 
黒木為禎(陸軍大将)

のような目印でもあると助かる(何のこっちゃ)のだが、そういうものはなかった。
 そういうオベリスクなんか無くても、ガーシュウィンの音楽自体が今も愛され続けている以上、形あるものは必要ないのかもしれない、とおもった。それでも、少し寂しい思いがした。今日は雨

 住民が何か知っているだろうか。
 最初に、タバコ屋のようなところ(現に若い女性が煙草を買いに来た)に入って訊いてみた。
 「ここは91番地じゃない。トナリのトナリ。」
 それで、隣の隣に行こうとしたけど、よく見ると、隣の玩具屋の看板に「91番地」と書いてある。

 
左上に"91"

 "TOY TOKYO"って、何のこっちゃ…と思ったが、ここでもう一回同じことを訊いた。
 要領を得なかった。
 が、"Follow me"と言うのが聞き取れ、玄関のほうに歩いていったので、着いていった。
 すると、"No, No"と言う。付いて来いなのか、来るななのか、分からなかったが、ともかくその位置で待った。
 扉の奥に2階につながる階段があるらしかった。

 扉が開き、白い服を着た小柄でcuteな女性が出てきた。日本人のようだった。
 この人に訊いてみろ、ということらしい。
 "Good afternoon, madame, I would like to..."とまで言ったところで、「あ、日本語でどうぞ」と、凛とした声で仰った。
 「僕はガーシュウィンが好きで、タイムズスクエアのビジターセンターでジョージ・ガーシュウィンゆかりのplaceを教えてくれと言ったら、ここを案内されました。ジョージが少年期を過ごしたところと聞いています。なにか御存じなことはありませんか。」
 「いらっしゃい。そうね…私は今はここに住んでるけど、残念ながら、この建物も建て替えられてるし、私も何も知らないの。」
 思うような果実は得られなかったが、その後少し雑談した。
 このNYに来てからの出来事を少し話したら、クスリと笑われた。
 お名前を伺ったら、ファーストネームだけ仰った。J.さんという。
 暖かい手をしておられた。

 帰国後、葉書を一本送ったが、一ヶ月以上経って、返送されてきた。"Return to sender / Undeliverable as addressed / unable forward"、また「転居先不明との理由で返送されてきました。成田国際空港郵便局」と書いてあった。
 歳月、人を待たず。



 冷めた目で見れば「ガーシュウィンの跡を訪ねたい」とNYCの観光案内所に尋ねる人は、少なくないと思う。
 だから、この五条二番街91番地にも、実はたくさんの人が訪れていて、僕は実は25897人目ぐらいなのかもしれない。

(澁谷光基/渋谷光基/しぶやこうき)

「はじめてのニューヨーク」は、毎週木曜日0:00に自動更新します。
 次回は、「The New York Pops 30th Gala ~ カーネギーホール」7月25日(木)0:00更新予定です。
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コメント

Duck Walk #e6g/TlK.

ガーシュウィン

こんにちは。
名前だけで無関係かもしれないけど、Gershwin Hotelが27条にあります。
その昔、ガーシュウィンも演奏していたという楽譜出版社があったTin Pan Alley(28条)近く。

私は、Rhapsody in Blueやピアノ協奏曲が好きです。

2013年09月02日(月) 06時51分 | URL | 編集

シブ #6o31QazA

★コメント第15号! ありがとうございます

 Duck Walkさん、おはようございます。時差-13時間なので、そちらは夕方でしょうか。
 コメントありがとうございます。
 ガーシュウィンに興味があったので、旅行前に何かライブでもやっていないかと思って、「NY Gershwin」で検索したらこのホテルが出てきました。洒落た外観をしていますが、このホテルを選択しなかったのは、確かバスタブが確実にあるというエビデンスを得られなかったから、でした。
 Tin Pan Alleyは、NYCビジターセンターのコンシュルジュにも確かそのような事を言われたのですが、こちらのリスニング力が弱すぎて(>_<)、結局行きませんでした。
 Rhapsody in Blue、イイですね!そう言えばフィギュアスケートの音楽にもガーシュウィンは多用されてますね。最近では金妍児も使っていましたね。3年前のオリンピック、"007"のあとのGershwin、これはずるいというか、正直「やられた」と思いましたね。ほんとにGeorgeの夭折は惜しまれてなりませんね。

 私の訪問にもコメントくださりありがとうございます。
 7泊8日同じ宿(31条)で、マンハッタンからほとんど出ませんでしたので、実は体力的にはそんなに消耗しなかったのですが、ま、いろいろありまして。だからちょっと精神的に放浪したのです。
 でも、先週書きましたが、やっぱりJessie Muellerが歌う"But not for me"や"someone who'll watch over me"…に出会えたことが最高でした。
 そもそも、たまたまNYを訪問したタイミングでガーシュウィンのミュージカルに出会えると思っていませんでした。彼女の姿と声に会うためだけでも、NYに来た甲斐があった、と思っています。この方、トニー賞まで取った人ですが、日本で検索してもほとんど出て来ません。それでイイです。あまり騒がれ無い方が僕としては望ましいです(^-^;

 またよろしくお願いいたします!

2013年09月02日(月) 07時32分 | URL | 編集


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